Google アナリティクス上級者向けコース 2

今回もアナリティクスアカデミーの上級者向けコースを教科書にGoogleアナリティクスについての理解を深めます。


2.1 アナリティクス アカウントを整理する

プロパティには少なくとも、元データ(Raw Data)、テスト(Test)、マスター(Master)の3つのビューを用意する。

複数の企業のマーケティングを管理している代理店であれば、企業毎に「組織」を設定し、その下にそれぞれ「アカウント」を作成する。

ウェブサイト、モバイルアプリ、またはデバイスごとにプロパティを設定し、別々にトラッキングするのがおすすめ。

URLやサブドメインが異なる2つのウェbサイトを1つのプロパティでトラッキングしたい場合、「クロスドメイントラッキング」を使う。
クロスドメイントラッキングでは、同一セッション内の関連するウェブサイト間の移動が認識される。
これを「サイト間のリンク」と呼ぶ。

アナリティクス360なら、「統合レポート」機能を使うと、複数のプロパティのデータを自動的に収集してひとつの新しいプロパティにまとめられる。
ただし、Google広告などの別のアカウントからインポートしたデータや、別のアカウントにリンクしているデータは含まれない。
→ 統合プロパティとリンク元アカウントをリンクし直せばOK。

リンク元のプロパティで同じクライアントIDで識別されているユーザーは、セッションデータが統合される。

各アカウントには、それぞれ最大 50 個のプロパティを設定できる。
各プロパティには、それぞれ最大 25 個のビューを設定できる。


2.2 ビューにアドバンス フィルタを設定する

カスタムフィルタを使うと、データ収集対象にヒットを追加/除外する、データの表示形式を小文字/大文字にする、収集されたデータを検索/置換する事が可能。

大文字/小文字フィルタを適用すると、URLがすべて大文字/小文字になるので、重複データを簡単に統合できる。

フィルタは適用されるまで、最大24時間かかる場合がある。

フィルタはテストビューでテストして、マスタービューに適用する。
リアルタイムレポートでフィルタが正常に動作するかテストすることも重要。


2.3 独自のカスタム ディメンションを作成する

カスタムディメンションには、ヒット、セッション、ユーザー、商品の「範囲」がある。
カスタムディメンションを「無効」にすると、すでに収集・処理済みのデータはレポートに表示されるが、以後の収集は行われなくなる。

カスタムディメンションのコードを管理するのに、タグマネージャーが便利。
Google タグ マネージャーとカスタム ディメンション

カスタムディメンションは最大20個まで(アナリティクス360なら200個)。


2.4 独自のカスタム指標を作成する

カスタム指標の範囲は、「ヒット」と「商品」の2種類のみ。
フォーマットは、「整数」「10進数の値」「時間」の3種類。

最大値と最小値を指定すると、意図しない大きな値・小さな値が収集されてレポートに影響が及ぶのを防ぐことができる。
1回の範囲が1を超えないようにしたい場合、最小値を0、最大値を2とする。


2.5 イベント トラッキングを使用してユーザー行動を把握する

イベントトラッキングのパラメータは、「カテゴリ」「アクション」「ラベル」「値」の4つ。

  • カテゴリ … イベントを各種グループに分類する。
    例)「動画」「ソーシャルでの共有」など。
  • アクション … ユーザーがイベントを開始したときに行った操作。
    例)「再生」「停止」など。
  • ラベル … 要素を詳述する。イベントレポートを読みやすくするためのオプションの値。
    例)動画の名前など。
  • 値 … 値を定義するオプション。
    例)イベントアクションの価値。動画の再生時間。

合計イベント数は、対象要素に対する操作回数の合計。
ユニークイベント数は、イベントを発生させているユーザー数。

イベントは、外部サイトに誘導するアウトバウンドリンクのクリックをラッキングするのに役立つ。


2.6 その他のおすすめの設定

ユーザー属性レポートとインタレスト レポート

ユーザーの年齢や性別、関心などを表示するユーザー属性レポートを表示するには、プロパティ設定で「有効」にする必要がある。
「有効」にすると、標準のトラッキング コードに加えて、 Google の広告 Cookie(有効な場合)を使用して匿名のユーザー属性データを収集する。

サイト内検索

ウェブサイトにサイト内検索機能がある場合、「サイト内検索」を設定すればユーザーが入力した検索語句をトラッキングできる。
欠落/隠れているコンテンツの特定、ナビゲーションやサイトレイアウトの最適化、検索結果の改善、マーケティングキャンペーン用の新しいキーワード候補の生成に役立つ。

サイト内検索はビュー設定で行う。

  • 検索による離脱数 … サイトを離脱する直前に検索を行った回数。
  • 再検索数 … 検索を行った直後に再検索した回数。
  • 検索後の時間 … 検索を行った後のサイトの滞在時間。
  • 平均検索深度 … 検索結果から閲覧した平均ページ数。

ページレポートに、ユーザーが最も検索を”行った”ページが表示される。
→ 多くの検索が行われているページは、ユーザーが求めている情報とページ内容との間にギャップがある可能性が高い。
→ 検索されている語句に合わせて、ページを最適化する。

計算指標

計算指標では、基本的な四則演算により既存の指標に計算式を追加できる。
例)ユーザーあたりのページビューを知りたければ、ページビュー数をユーザー数で割った計算指標を作る。

計算指標では、負の数にマイナスの演算子を使用できない、数式の上限は1024文字。

チャネル グループ

デフォルト以外の方法でトラフィックにラベルを付けて分析する場合、「デフォルトチャネルグループの編集」「新しいチャンネルグループの作成」「カスタムチャンネルグループの作成」ができる。

システムチャンネル … デフォルトのチャンネル。

新しく作成したチャンネルグループは、適用したルールに基づき、過去のすべてのデータに適用される。

新しく作成できるチャンネルグループは、1つのビューにつき最大50。

新しく作成したチャネルグループは、ビューへのアクセス権を持つすべてのユーザーに表示される。
自分だけに表示するには、[管理] > [パーソナルツールとアセット]の[カスタムチャンネルグループ]を選択する。
作成できるカスタムチャンネルグループは、1ユーザーにつき最大100。
カスタムチャンネルグループは、直接/ソリューションギャラリーで共有できる。

コンテンツ グループ

最大5つのコンテンツグループと、グループの定義に必要な数のルールを作成できる。

コンテンツグループの設定方法には以下の方法がある。

  • トラッキングコード別にグループ化 … トラッキングコードを使用。
  • 抽出を使用するグループ … ページのURL構造を使用。
  • ルールの定義を使用するグループ … 簡単な論理ルールを元に分類。

これらは単独でも複数を組み合わせてもOK。
組み合わせる場合、上の順番にチェックし最初に一致した方法に応じてコンテンツが追加される。

コンテンツグループは、カスタムレポートのディメンションとして使用できる。

拡張eコマース

拡張eコマース機能を使うと、ユーザーがサイト内広告、商品ページ、決済手続きをどのように利用しているかが分かる。
商品リンクのクリック数、商品詳細ページの閲覧数、サイト内広告のインプレッション数とクリック数、ショッピングカートの商品の追加/削除、決済手続きの開始、購入と返金なども測定できる。

設定で、ビューに対してeコマース拡張をオンにする。
次に、JavaScriptコードをページに追加し、専用プラグインを読み込めるようにする。
そして、拡張eコマースメソッドを呼び出すコードを追加する。
サイトでは、eコマーストラッキングコードにeコマースデータを動的に渡す必要がある。

商品のインプレッションとは、ユーザーがサイトで商品を閲覧するタイミングのことで、商品ページ、商品のカルーセル表示、関連商品ユニットなどで発生する。

ユーザーID

JavaScriptコードを使用し、独自にユーザーごとに一意のIDを割り当て、それを一貫して使用する必要がある。

設定するには、[管理] > [プロパティ] > [トラッキング情報] > [ユーザーID]をクリックする。

特定ユーザーに複数のIDが関連付けられないようにするには、「セッション統合」を有効にする。

ユーザーIDデータを分析するには、ユーザーIDビューを作成する必要がある。
ユーザーIDが有効になっているプロパティに新しく追加したビューのみ、ユーザーIDビューとして指定できる。
ユーザーIDビューは、ユーザーIDを含むヒットデータのみを表示するため、通常のビューよりデータ量が少なくなる。

ユーザーIDカバレッジレポートには、認証されているトラフィックの比率が表示される。

認証済みユーザーと非認証ユーザーを比較するセグメントを作成できる。
2つのセグメントを作成し、ユーザーIDステータスを選び、テキストフィールドに”assigned”とすると認証済みユーザー、”unassigned”とすると非認証ユーザー。

デバイスの重複レポートでは、PC、タブレット、モバイルでのサイト閲覧ユーザー数を確認できる。
単一デバイスだけでなく、複数デバイスを利用しているユーザー数も分かる。

デバイス経路レポートでは、閲覧に使用されたデバイスの種類と順番がわかる。
モバイル端末情報に切り替えることで、デバイス名も分かる。

ユーザー獲得デバイスレポートでは、コンバージョンに至った経路に複数のデバイスが含まれているかを確認できる。
例)PCで商品ページを閲覧し、のちにモバイルで購入した。

データのインポート

データのインポートには、アップロードするデータと既存のデータとでディメンションが一致する必要がある。
アップロードするデータのディメンションを「キー」と呼ぶ。

  • プロセスタイムデータインポート … 過去のデータには適用されない。インポートしたデータは切り離せなくなる。
  • クエリタイムデータインポート(アナリティクス360) … 過去のデータに適用できる。あとでインポートを取り消せる。

インポートは、[管理] > [プロパティ] > [データインポート]から、新しいデータセットを作成する。